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めまい・耳鳴り・難聴は正しい診断なくして、効果のある治療なし

[2020.03.30]

本記事は、由利院長が、ライターの神出優子(じんでゆうこ)さんにインタビューを受けた記事を掲載しています。

耳鼻咽喉科領域を中心に、頭部周辺の複雑かつ専門性高い疾患治療にも精通されている由利直樹先生。現在はクリニックの診療だけにとどまらず、TV番組など多方面な分野にてご活躍されていらっしゃいます。今回対談させていただくテーマは「難聴」について。難聴は誰にでも起こりうる可能性が高い病気です。実際の診療現場でのエピソードをもとに詳しいお話をお伺いします。

「難聴」は日常生活へ深刻な影響を与える病
信頼できるクリニックを選び、早期治療を開始することが何より重要!

由利:
3月3日は「耳の日」。先日も東京MXテレビの『バラいろダンディ』に出演させていただき、難聴にまつわるお話しをさせていただきました。
(参考:https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202003151750/

神出:
難聴に悩まれる患者さんはとても多いとお聞きしました。あらためて「難聴」という病気について教えてください。

由利:
音が聴こえにくい、言葉が聞き取りにくい、あるいはまったく音が聴こえないといった症状があることを難聴と言います。聴こえの程度については人によって異なりますが、例えば高音だけあるいは低音だけ聴こえにくい音域がある方もいらっしゃいます。それに伴い急なめまいや耳鳴りなどを併発される患者さんも多く、それゆえ内科系疾患や貧血などと患者さんご自身が混同されてしまい、(内科・耳鼻科の両方を除いた)他科をご受診されてしてしまうことはよくあります。医師側ももし患者さんからの訴えや表現をそのまま鵜呑みにしてしまうことがあるならば、治療法も誤った方向に行きかねない事態となります。しかしどのようなことがあっても、患者さんを正しい治療に導くことこそが私たち医師の使命です。精緻な診断と真摯な態度と覚悟で患者さんと向きあうことのできる医師のいるクリニックをまずはお選びいただければと思います。

めまいと貧血は同じではない

神出:
めまいと貧血は違うものなんですね!(驚)

由利:
自分のいる空間や位置が一瞬でもわからなくなるような状態は「めまい」です。貧血とは赤血球や鉄分の不足で起きる内科的な異常です。めまいは結果です。根底にある病気が1つとは限りません。私1人で、1人の患者さんで6つ病気の病気を見つけたことがありました。最近も検査で1人で、聴神経腫瘍、脳腫瘍、椎骨脳底動脈循環不全の3つがあることがわかった患者さんもいらっしゃいました。

難聴は放置すると認知症の進行にもつながります!

神出:
「難聴は治らない」「年齢的なもの」などといった噂は本当ですか?

由利:いいえ、それは大きな間違いです。早期に正しい治療を行うことさえできれば改善される可能性はまだ残されているはずです。難聴の診断にあたってはさまざまな検査が必要です。その結果を踏まえた上で医師はさらに細かなタイプ分けを行います。特にめまいを伴うものかどうかを見極める判断は非常に重要な分岐点となります。当クリニックでは内耳検査、言葉の聴こえに対する検査もあわせて行っております。ともかく難聴を長期間放置することは厳禁です!高齢者においては認知症を加速させる危険もはらんでいます。軽度の難聴をお持ちの方は認知症の発症リスクは2倍、重度の場合には5倍へと跳ね上がることが最新の研究として報告されています。逆を言えば、難聴の予防や治療による改善を促すことによって認知症リスクは下げられるとも言えます。昨今では難聴と転倒の関係性も指摘されています。難聴という病気を深くひも解くほどに私たちの将来的な問題に密接に関係していることがわかります。

注意すべき聴神経鞘腫とは―

神出:あらためて詳細な検査は大切なことですね。事象を多角的に診ることのできる本物の力を持った医師の診断を受けたいと思います。他にも難聴と混同されたり見逃されやすい病気はありますか?

由利:例えば、聴神経腫瘍はその代表例です。上前庭神経・下前庭神経のschwann細胞から生ずることがある腫瘍ではありますが一般的には,年間10万人に1人と言われるほどの珍しい病気です。しかしながら当クリニックが開院して9か月が経ちますが、すでに7名もの患者さんにこの病気を見つけました。当クリニックではそれほどまでに精度の高い診療をご提供させていただいております。聴神経鞘腫は小脳等に機能障害が生じ、放置すればいずれ脳圧が上昇し顔面神経麻痺などさまざまな深刻な問題が引き起こされる病気です。そのうち5名は、他院で突発性難聴や原因不明でMRIで異常なしと診断された方がこちらにいらして正しい病名が判明しました。隠れ脳梗塞が見つかるケースも良くあります。当クリニックはこれからも難聴に苦しむ患者さんに一人でも多く救いの手を差し伸べる存在でありたいと願います。

さまざまな検査データをもとにより精度の高い診断を目指して―

由利:当然のことではありますが耳と脳とは非常に近い距離にあります。ゆえに神経的な問題もとても複雑に絡みあっています。小さな聴神経腫瘍や脳腫瘍などは造影剤を用いたMRIでの詳細な検査を加えなければ見つけにくいものでもあります。当クリニックでは各種検査データをもとに精緻な診断を行うよう最大限努めております。

難聴は最悪の場合、聴力を完全に失ってしまうほどの怖い病気です

神出:難聴は身近な病気である一方、決して甘く見てはいけない病気なんですね。

由利:難聴は放置し続けると最悪の場合、聴力を完全に失うという取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。めまいにおいても決して加齢や更年期などと言った年齢的な問題だけで片づけられるような簡単なものではありません。気になる症状のある方はぜひ早期に当クリニックまでお越しいただければと思います。特に耳鼻科系疾患は時間の経過とともに手の施しようのなくなる事態にまで陥ることが多々あります。すでに難聴がある人は治療困難でも悪化するのを遅らせないといけません。患者さん側もご自身の身体の異常に対してぜひ敏感であっていただきたいと思います。

補聴器にも正しい理解を―

神出:補聴器選びも初めての方にとってはとても難しいことだと思うのですが―

由利:補聴器は集音器ではありません。音を大きくすれば聴こえが解決するという話では決してありません。クリアに音が聴こえる仕組みは、あるレベルに緻密にチューナーをあわせるようなものと同じです。非常にデリケートな調整と専門的な知識が必要となります。無理をして大音量に慣れてしまった耳は、今度は騒音性難聴という新たな病気を引き起こす可能性さえあり大変危険です。聴力とはみなさんの想像以上に非常に繊細で複雑な構造の上に成り立っているものです。思い込みやご自身の勝手な判断だけで対処せず、まずはご相談ください。外見が気になる人には小型で耳穴タイプのものもあります。耳鳴りにお悩みの人には、耳鳴緩和装置が装備された補聴器があります。

インタビュワー:神出優子(編集ライター)
出版社勤務を経て、雑誌やWEBをはじめとするさまざまな媒体で執筆活動や企画編集を行うフリーライター。近年は特に医療分野で活躍する人物を中心に年間100本以上のインタビュー記事を執筆している。

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